この記事では、出願から特許取得ににかかった費用を説明します。経費は、作成した書類の枚数により変わります。あくまでも私の特許にかかった費用をお伝えします。
ここで、費用とは特許事務所に支払った手数料と出願等で特許庁に支払った料金の合計です。
○出願書類の添削に伴う費用
私の場合、自分で特許関連の専門書や特許情報プラットホームで他の出願書類を参考に特許出願書類を作成しましたので、弁理士の方に全て依頼する場合より安く済みました。
その経費は、2回ほど添削をしていただいて、およそ120,000円。
○出願手続きに伴う費用
出願手続きについては、インターネットを利用して自分で出願手続きを行いました。
手続きの方法は、以前の記事に載せております。
確認してみてください。
経費は、14,000円。
ここから下の手続きは、特許事務所に依頼しました。
○国際特許出願に伴う費用
特許を取得するというと、世界中で権利が発生するようなイメージですが、正しくは、各国ごとに特許を申請し取得する流れとなっています。
ですので、日本では取得できたのに他国では取得できない場合もあります。
ただ、日本で申請した際も、国内外で似たような出願がないかを特許庁で調査します。
日本で取得できたということは、世界にも同じものがなかったということになります。
国内の特許で十分という場合は、国際特許出願をしなくてもいいです。
今回は、せっかく特許を取得するということで他の国にも出願をしたいと思い、国際特許出願(PCT)もやってみました。
特許侵害対策として、経済力がある大企業だと数カ国に出願ができますが個人でやれるのは限られています。
私の挑戦として、アメリカ合衆国を対象として申請をしました。
結果は2024年3月現在まだ出ていません。
結局、経費はいくらかかったかというと、およそ450,000円。
○国際出願交付金
国外へ特許出願をする際は、国の交付金や助成金を活用すると個人でやられる方は、経費をある程度軽減できます。
私の場合は、国際出願促進交付金を活用させていただきました。
当時と今では制度が違います。
現在の制度について特許庁のホームページから以下を引用します。
以下引用:
国際出願手数料及び取扱手数料に係る新たな支援措置について
「令和6年1月1日以降に行う日本語の国際出願又は国際予備審査請求に係る国際出願手数料、取扱手数料については、国際出願促進交付金の申請手続を不要とし、手続時に現行手数料の1/2,1/3,1/4に相当する金額で納付することとなります(特許協力条約に基づく国際出願等に関する法律施行規則等の一部を改正する省令(令和4年10月31日経済産業省令第80号))。
上記に伴い現在の国際出願促進交付金制度は令和5年12月31日をもって廃止いたしますが、令和5年12月31日までに行った国際出願又は国際予備審査請求については、従来どおり国際出願促進交付金の申請手続をすることとなります。ただし、令和6年4月1日以降の交付金申請は令和6年度予算の成立が前提となりますので、令和5年12月31日までに国際出願又は国際予備審査請求を行った場合は、速やかに国際出願促進交付金の申請手続をしてください。」
以上のように、補助金等の制度が結構変わりますので、その都度特許庁のホームページで確認をしてください。
結局私の場合は、およそ98,000円の交付を受けました。
○国内移行手続きに伴う費用
国際出願をした後、日本に出願をするために移行手続きなるものをします。
日本の特許庁に出願するので翻訳などが不要です。
経費はおよそ180,000円。
○拒絶理由通知書に伴う費用
日本に出願後、拒絶理由通知書というものが来ました。
これは、他に似たような出願がありますが、反論があればしてくださいという通知書です。
初めて見ると、拒絶? という文言から完全否定されたという感じをもちますがそうではありません。ただ、ここで反論をしなければここで終了となります。
この段階では反論の余地は、まだあります。
対応として意見書と補正書を提出します。
その書類を特許庁の審査官が読んで、似たような他の出願されたモノとの差異が明らかであると判断されると、特許査定となります。
結局、意見書と補正書にかかった経費はおよそ120,000円。
○特許査定に関連する費用
2021年3月に特許査定となりました。
特許査定されると、次に特許料納付手続きを行います。
ここで料金を納めて初めて特許権を取得出来たということになります。
はじめは3年分を納めます。
4年分以降は、3年の期限が切れる前に納めます。
経費は、およそ130,000円です。
○経費合計
経費合計:およそ1,014,000円。
以上から国の交付金およそ98,000円を引くと916,000円。
以上のように、特許を申請してから取得まで結構な経費が発生します。
自分でやれる部分は、自分でやることで経費を圧縮できます。
私の場合は、一生に一回あるかどうかの経験だと考え、手続き等を進めました。
なお、アメリカ合衆国への申請にかかった諸経費は、別な記事でお伝えします。
以上、日本への特許出願から国際特許出願(PCT)を経て、日本に出願し、特許権を取得するまでにかかった費用についてでした。